整体コラム(2016年10月~)

コラム   2016-11-13 (日)

【痛みの背後にあるもの】

 

毎日、妊婦さんや産後の女性の整体をしていて、よく思うことがあります。

 

みなさん、整体を受けるわけですから、当然ながら腰痛などの痛みや症状があります。痛いのを誰かに「何とかしてほしい」と思って整体を受けるわけです。

 

ですが、腰が痛いから腰だけを調整すればいいかというと、そういうわけではありません。

 

症状や痛みそのものは、肉体以外に原因がある場合があるからです。

 

例えば、産後に腱鞘炎になる方とならない方がいます。その違いはどこにあるのでしょうか?

 

抱っこするときの腕の使い方のくせが原因でしょうか。長時間抱っこをしているから、手や腕に負担がかかっているのでしょうか。

 

たぶん、その通りだと思います。

 

でも、手や腕(や首や肩や骨盤など)を調整しても、長時間抱っこしていれば、やはり負担はかかります。とはいえ、手が痛くても赤ちゃんを抱っこしないわけにはいかない。誰もママの代わりになることは出来ませんから。

 

このどうにもならない現実を理解してほしいと思いますよね。誰に理解して欲しいかといえば、やはり旦那さんに理解して欲しいのです。

 

でも旦那さんは旦那さんで、毎日遅くまで仕事をしていて、とても疲れています。だから旦那さんにもっと手伝って欲しいなどとは、たとえ思っていても言えません。

 

だから、真面目で頑張りやさんのママさんは、自分一人で育児と家事のほとんどを行っていたりします。自分のやりたいことも後回しですし、ご飯は噛まずに飲み込むように食べていたりするし、トイレにいくのも大変だったりします。

 

産後に痛みや症状が長引いたりする場合は、その背後に誰かに(つまり旦那さんに)そのことをわかってほしい、自分が大変なことを知ってほしい、理解してほしいという気持ちが隠れている場合があります。

 

でも口ではなかなか「もっと手伝ってほしい」とは言えないのです。言えないからこそ、痛みとして症状として表出されているのですね。

 

女性はもっと旦那さんに労ってほしいのです。「よく頑張っているね」、と認めてほしいのです。「お疲れ様」とか、「いつもありがとう」と言ってほしいのです。それを認めてもらう(認めてあげる)だけでも、痛みや症状は軽減するのです。

 

だから妊婦さんや産後の女性の整体をする場合、その女性だけではなくて、その家族(ご主人やお母様)との関係性も視野に入れて、総合的に複眼的に見ていく必要があります。

 

目の前の症状だけ見ていてはダメなのです。痛みの背後に何があるのかを想像する視点が必要なのですね。

 

だから、妊産婦さんの整体をする上で本当に重要なことは、表面的な整体のテクニックだけではないのです。

 

夫婦間の複雑な心理や、夫婦間の感情の細やかな機微を察知し、気遣い、気を働かせ、想像する能力もまた必要になってくるのです。