整体コラム(2016年10月~)

コラム   2016-11-09 (水)

【からだの自然の働きに耳を傾ける】

バース整体研究会でお伝えしている妊産婦さんの整体(バース整体)では、病気や症状を「治す」という考え方はしません。

 

基本的にそういった症状や痛みは「経過するもの」だという考え方をします。

 

これはコペルニクス的転回というか、言うなれば価値(観)の転倒です。 

 

たとえば風邪をひくことで、からだはリフレッシュされ、自分の力で回復することでより強く元気になります。

 

いったん、からだが破壊されるからこそ、新たな建設もあるのです。だから熱を出すことは、必ずしも悪いことではないし、またセキや下痢などもむやみに薬で止めるべきではないと考えます。

 

風邪を引くことそれ自体が、その人のからだにとっては自然の働きであるのだから、それを外部からの力で抑えることのほうがむしろ不自然なのではないでしょうか。

 

風邪は治すのもの、治さなければならないものではなくて、経過させるものなのです。

 

痛みなども(ある意味において)同じです。それらを上手に経過させるためにこそ整体の智慧があるのです。

 

だから、「〇〇を治してくれ」という他力本願な気持ちが強い方は、(冷たいようですが)時にお断りすることがあります。

 

そこには自分で自分のからだを整え、自分自身で立ち直ろうとする働きではなく、他者の力に一方的に依存しようとする考えが潜んでいるからです。

 

さて、出産というと、痛くて苦しくて大変なことだというイメージがあります。

 

だけど、妊娠・出産という、もっともからだの自然の働きが高まる時期を上手に過ごせば、より女性は元気になるし、また美しくなります。とりわけ産後の過ごし方は、女性にとって大事です。また、この時期の過ごし方は、更年期に与える影響も(多少なりとも)あるから、そのことを女性はもっと知っておいて欲しいと思います。

 

 

お産自体も、ただただ「痛いもの」だという先入観があると、本当にその通りになってしまいます。「痛い」と思い込めば、ますます痛くなってしまうのです。

 

本当は痛さの中にも、「気持ちよさ」や「快さ」があるはずなのです。それを見つけるような「こころの角度」を取ることが出来れば、そもそもお産が難しくなることはないはずなのです。

 

痛いか痛くないかは、産めばわかります。産む前にあれこれとマイナスの想像をするのではなくて、「楽しい空想」をすることが、安産のコツなのかもしれません。

 

そして、妊娠中に楽しい空想をするためには、パートナー(つまりは男性)の妊婦さんに対する態度が何よりも大事だと思います。

 

新たな生命の誕生というイベント以上に喜ばしく、また僥倖めいたことが、はたしてほかにあるでしょうか。

 

そのことがいかに奇跡的な出来事であるか、そのことにあらためて気づくことが出来れば、お産はわくわくするような、楽しい出来事に変容すると思います。

 

そして生命の自然の働きに従っていれば、お産もまた自然で優しいものになると思います。そのためには出来るだけ頭を虚にするというか、からっぽにできるとよいですね。PCやスマホなどで目を酷使して頭(脳)を使ったら、きちんと休めることが大事です。

 

僕が行なっている(目指している)妊産婦さんの整体とは、たとえば腰痛などの痛みをたんに治すものではなくて、妊婦さんが自らの「からだの自然の働き」に耳を傾け、その内側の声に気づくためのものなのです。